嫁さんが『うつ病』になった話③
前回のおさらい
医師から「うつ病」と診断された嫁さん。
その診断にショックを受ける私と病名が判明し
少し安心する嫁さん。
病院から処方された「抗うつ剤」を希望に
これから「投薬治療」を開始する事となった。
「うつ病」について
まだ明らかになっていません。
人間の脳の中には情報を伝達するための
「神経伝達物質」と呼ばれる
セルトニン、ノルアドレナミン、ドパミン等が存在します。
この神経伝達物質が情報を伝達し、
私達の心身バランスを保っているらしいです。
ないか?というのが有力な説だそうです。
【神経伝達物質が減ると下記症状が出る】
セルトニン :過敏症、こだわり、緊張
ノルアドレナリン:無気力、過眠または不眠
ドパミン :意欲、精力、快感、運動の障害
抗うつ剤は簡単に言えば
薬でこれによってうつ病を治療する薬剤です。
投薬治療を始める
投薬治療、名前の通り抗うつ剤、
つまりはお薬を飲んであとはひたすら良くなるのを
待つ治療です。
私に出来る事といえば、
1)嫁さんの体調の観察
2)薬の投薬管理
3)家事
特に②薬の投薬管理については、
とても重要な事だと医師から注意されました。
曰く
うつ状態だと患者が快病を諦めて薬を飲まなくなる。
または決められた使用量以上の薬を飲み、
心身に重大なダメージを与える等…。
聞くだけで身が震えるわ…。
薬には大小必ず副作用が付きまといます、
投薬管理については奥さんに任せず旦那さんも
必ず確認するようにして下さい。
よって嫁さんが薬を飲む際は必ず私の目の前で
薬を飲んでもらい、薬の残個数が合っているか
確認するのが私の日課となりました。
ともかく診察を受けて嫁さんの病名が分かり、
投薬治療が始まって少しホッとしました。
「これから良くなる方向へ進んでいくだろう」
と何の根拠もなく思っていたのです。
医師からは
「薬を飲んだからといってすぐに快病に向かう
とは思わないでくれ、焦りは禁物!!」
と言われてましたが、
「ひょっとしたら、すぐに薬で良くなるんじゃないか?」
なんて希望を抱いていたんです。
だって辛い事から逃げたいのは皆だってそうでしょ?
まぁそんな希望は
無残にも砕け散るのですけどね…。
地獄の日々①
~投薬1日目~
薬を投薬した翌朝早朝3時。
嫁さんに体を揺すられて起こされる。
…ふぁん?
またこんな早朝に…ふぁ…。
寝ぼけ眼で嫁さんを見ると、
またまたシクシク泣いている…。
寂しい、つらい、不安…。
薬は効かなかったか…。
(まだ投薬開始して一日だもんなぁ、
しょうがないか…。)
わかった、わかった…。
俺はここにいるから…、よしよし…。
嫁さんに布団に潜りこみ
後ろから抱っこして頭を撫でてあげる。
それでも嫁さんは
寂しい、つらい、不安だと訴えてくる…。
まるで壊れたラジオみたいに同じ事を
口から紡ぐ嫁さん。
両腕で強く抱いてしまうと
「ピシッ」とヒビが入って割れてしまいそうな
儚い嫁さんの姿を見ると自然と涙が出てきました。
元気な姿の嫁さんを知っているだけに
その対比は残酷で見るに耐えなかったのです…。
だめだ…俺が泣いたら…。
俺が嫁を支えないと…!!
嫁の背中で涙を拭き、
「大丈夫、俺がいるよ」と出社するまで
あやす事しか私には出来ませんでした。
出社後、会社の上司には家の事情をオブラートに
説明して出来るだけ定時に帰宅できるようお願いした。
【上司】
oh…お前も大変だな。
わかった仕事は気にすんな!!
上司・同僚の理解もあって皆が協力してくれて
早めに帰る事ができました、本当に感謝である!!
ただいまぁ~。
おかえりなさい…。
家に帰ると嫁がご飯を作っていた。
あれ、家事は俺がするよ!!
嫁さんは休まないとダメじゃない…体調大丈夫なの?
うん、朝から昼までは気が落ちて辛かったけど、
16時位から気分も落ち着いてきたの。
だから家事が出来る時は私がするね。
そう?
あんまり無理したらダメだよ?
う~む、薬の効果か?
だったら嬉しいな!!
明日の朝はもしかしたら起こされないかも!!
このまま良くなればいいんだけど…。
少し希望が湧き、寝不足もあって、
この日は早めに就寝しました。
地獄の日々②
~投薬2日目~
早朝3時。
嫁さんに体を揺すられて起こされる。
…マジかよ…またか…。
恐る恐る嫁さんを見ると、
やはり泣いている…。
寂しい、つらい、不安…。
昨日と全く同じ言動である…。
私が何度・何時間も「大丈夫だよ」と諭しても、
ゼンマイを巻き戻したように
寂しい、つらい、不安と泣きながら呟くのです。
こうなると私が何を言っても無駄なので
ひたすら嫁さんを出社時間までなだめて
待つしかありません。
これが本当に疲れる…。
嫁さんの対応と、
仕事の疲れ、寝不足でイライラするのです。
そして出社時間が来ると寂しくて不安なのか
泣きながら玄関までついて来て
「今日は会社に行かないで」
と、懇願してくる…。
嫁さんの必死な懇願が胸に突き刺さりますが、
働かなければ生活はできません…。
心を鬼して…私は何度も嫁さんに謝りながら
逃げるように家を出ました。
玄関の扉が閉まるまで、
嫁さんの泣き声が聞こえて
本当に辛かった…。
本当に心が痛くてツライのです…。
嫁さんの悲痛な鳴き声が、
耳からこびりついて離れない。
そして日中はしっかり働き、早めに家に帰る日々が始まりました。
帰宅すると嫁さんは元気ではないが、
落ち着いているように見えます。
話を聞くと、やはり夕方になると
気分が落ち着いてくるとの事です。
そして寝不足なので今日も早めの就寝。
どうか嫁さんが朝落ち着いてますように…。
地獄の日々③
~投薬3日目~
本日も早朝3時に起こされる。
嫁さんやはり泣いてます。
~投薬4日目~
本日も早朝3時に起こされる。
嫁さんはやはり泣いている。
~投薬5日目~
本日も早朝3時に起こされる。
嫁泣いている。
~投薬6日目~
3時…本日も嫁泣いている。
~投薬7日目~
嫁泣いている。
~投薬8日目~
前日と同じ
~投薬9日目~
同じ
~投薬10日目~
〃
~投薬11日目~
〃
~投薬12日目~
〃
~投薬13日目~
同じ!!何の変化もない!!
毎朝3時に起こされて、
嫁さんに泣いて懇願される日々が続く。
身体も精神もボロボロです…。
あぁ~勘弁してくれ!!
こっち(私)がダメになるぅ…。
薬ぃ~効いてくれよぉぉぉ!!
看病のストレスは凄まじく、
既に私の身にも影響が出てきました。
寝不足による倦怠感や、
多分ストレスのせいでしょう…、
頭痛や肩こり、食欲不振はまだ可愛いほうです。
深刻なのは
左目の瞼の痙攣が止まらず
勝手に瞼がピクピク動くこと。
これでは仕事に支障をきたす。
お客さんの前に出れないですからね…。
これはいかん…。
このままでは私もダメになる…。
明日で投薬から2週間経過するので
病院に相談と経過診察に行きます。
先生にしっかり相談しないとな…。
そして翌日、
待ちに待った病院へ行きます。
しかし苦悩の日々は
まだまだ続く…。
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つづく
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